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映画『アウトレイジ』で学ぶ小説の書き方!

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 北野武監督作 映画『アウトレイジ』を観て、ドハマリしてしまったぞこのヤロー! いやホント、メチャメチャ良かった!いままであまりヤクザ映画は観たことなかったけど今作は最高に面白かった! 監督、脚本、主演は全て北野武さんがやっているというから驚きだ。もちろん面白いのもあるけど、物語はこうやって作るんだというお手本にもなります。 個人的にアウトレイジの、渇いた感じが好きだ。スタイリッシュな映像だけど、欲望むき出しにして他所の組の利益を奪い取ったり、闇カジノを乗っ取ろうとしたりと悪どいことを淡々とこなしていく、彼らヤクザは欲望と暴力だけで行動する。 それがいい。 それで、すっかりドハマりしてしまい、自分でもこんな話を書いてみたいなと… ヤクザ小説を書いてみたいと! というわけで今回は北野武監督作 『アウトレイジ』の物語を、プロット形式で順を追って書いていき、その物語の作り方を学びたいと思います。 ちなみに一番好きなのは、村瀬組の組長を歯医者で追い詰める場面! 大友(北野武)と水野(椎名桔平)が見下ろす場面がカッコいいぃ!! アウトレイジの登場人物や周辺はWikipediaに詳しく載っているのでそちらを参照してほしい。 https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%A6%E3%83%88%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%82%B8_(2010%E5%B9%B4%E3%81%AE%E6%98%A0%E7%94%BB) では、いく! 始まり… ・山王会の幹部会にて、池元組組長、池元は山王会若頭、加藤から村瀬組との関係を絶つように忠告される。 ・池元は子分の大友に、村瀬組とわざと揉めるように命じる。 ・大友は村瀬組のシマに事務所を構え、村瀬組を挑発する。 ・村瀬組組員の飯塚は、大友組の組員岡崎をダマし、キャッチバーで高額な飲み代を取ってしまう (抗争の始まり) ・村瀬組の若頭木村は、飯塚を連れて大友組に詫びに行くが、そこで指を詰めるよう迫られる。 ・村瀬組組長、村瀬は池元と手打ちし、この抗争を終わらせる。 ・納得できない木村は独断で岡崎を拉致し、拷問の末岡崎を殺害する。(抗争の激化) ・大友組は岡崎の仇討ちのため飯塚ら村瀬組組員を殺害する。 ・村瀬は山王会に赴き、山王会会長関内と池元に謝罪し、村瀬組は解散する。 ...

けれど空は青

   青井ぼくは春が嫌いだった。毎年この季節になると調子が狂うというか、よくないことが起きたから…… 天気は晴れ。どこまでも広がる青空の下、桜の花びらは舞い、鳥は気持ち良さそうに歌っている 絵に描いたような春の日の朝… そんな日なのに、彼は少しも楽しい気分になれなかった。 ああ…こんな日はきっと何か起きる……そんな不吉な予兆を感じながら、いつもの通学路を歩いていた これは、青井ぼく 十四歳の春の出来事 一.【ガラケー少女】  青井ぼくはその日、はじめて空を飛んだ。ああ、鳥ってこんな気分やったんか…と思いながら彼は階段を転げ落ちていった。この何日かあまりよく眠れていなかったのと体調が悪かったことも重なり、廊下に倒れた彼は気を失って、そのまま保健室のベッドへと運ばれていった。  くそ…やっぱりこうなった……そやから今日は学校休んだらよかったんや……… 悪い予感ほどよく当たると、青井ぼくは夢のなかで後悔していた。 これやから春の日は嫌いなんや……春なんて……… 「風が泣いているぜ」 「………?」 だ、誰や いまの、声……? その声ははっきりと聞こえ、青井ぼくは目を覚ました。 「う…うぅん……」 「あ、起きたん?」 「………」 そこに居たのは、制服を着た見知らぬ女の子だった。この学校の生徒…? 「…あ、あなたは…」 「俺の名前…?…わたし。桃野、わたし。」 それが夢なのか現実なのか…おぼつかない頭のまま、青井ぼくはその人を見ていた。 起き上がろうとしたら、背中と腰にズキッとした痛みがあり、体が動かせないことに気付いた 「痛たたっ!」 「無理せんほうがええよ きみ、階段から落ちたんやから」 「あ…あの…あなたがここまで運んでくれたんですか?」 「まさか。私はただの付き添いやで 先生と他の生徒が担いでったんや」 「へ、へぇ…」 「ところで、きみの名前は何て言うん?」 「えっ?あぁ… 僕は、青井ぼくって言います」 「ふぅん そんならぼくくんか。」 「……」 「どうしたん?まだ具合悪そうやね」 「あ、うん…それはそうなんやけど……」 ── 僕ら、前にどこかで会ったかな? いや、そんなわけないか。もしそうだったら覚えてるハズやし… そういえばいま何時やろ?僕、倒れてどのくらい時間が経ったんや? いまは…授業中? あぁ違う 今日は終業式で、明日から...